Sunday, July 19, 2009

ベランダ

塩素の匂いはプールの夏だった頃、リノリウムの床が光る夏の学校は残滓となって、窓の隙間から頭に灼きつけるように吹き込んでくる。そとは暗く、藍色の空が世界を包んで、眼をこらして星を見附けようとするけれど、遠くの町の灯がそれを妨げるように明るさを増すようだ。

眼を閉じて重力を感じた
この体躯の末端が緩やかに
意識を失って大気と重なり
僕は隠れるように
光に満ち溢れて

暫くして僕が見たものは、一瞬前の景色とは少し違っていて、網膜に灼きついた闇がいつまでも視線を追いかけて、次第に僕は、君の眼を探し出すことが出来る気がして、そこに写る世界に沈んでいければいいのにと願ったものだった。しかしもう僕は、体の中に通る神経が上手く機能していることをみつけていて、窓を閉めるのだ。月は見えなかった。

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