小学校のレクリエーションルームに見えたが床は砂、扉はほぼない部屋で男三人、女三人でいた。女三人の方は私の好きな映画女優だったかも知れない。とにかく、女たちは手当たり次第に石を投げてきた。それは遊びのようにみえたが、こちらは死ぬかも知れなかった。実際に、何度か死んだ記憶がある。
徐々に石の大きさは小さくなっていって、その遊びはいつのまにか終わった。誰かと一緒にタクシーへ乗った。行き先は覚えていないが、道路の真中、誰かが殺された場所だったような気がする。一緒に乗った人なのかタクシーの運転手なのかは忘れてしまったが、話の通じる相手ではなく、車中でも死の恐怖と戦っていた。車は蛇行運転と急な加速を繰り返して交通事故を起こしそうになっていた。
最後の場面では10人前後のわたしの知り合い達が、全く脈絡無く机を囲んでいた。わたしの研究室の先生による英語のレクチャーがあったりしたが、主にロールプレイングによる会話練習をした。しかし、最初に私がロールプレイをしたときは、相手は外国人で(誰かは思い出せない)フランス語を話さなくてはならなかった。フランス語はもうほとんど憶えていなかったから、すごく短いフレーズをそれっぽく言ったら、相手に「そのことばの発音は間違っていないけど、この場では少し意味が違うね。文法的にもおかしい。」というようなことを言われて戸惑った。実にそのとおりだなと思った。"Combien ça coûte? Je veux acheter cette xxx." "Cela bien!" "Merci, prenez gratuitement?" "Sûrement. Voilà!"みたいな感じだった。
また順番がまわってきて、今度は研究室の先生と英語で会話するという段になった。先生は河原で休日を楽しんでいる設定らしかったが、何も説明せずに、一言、訊くなら会話の中で訊け、自分に有利な環境をつくれ、と言った。お菓子の袋を二つをほど渡された私は、まずここは日本で、春先の山川で涼んでいるのを想像しながら"Excuse me, sir,"と言って話しかけた。今思えば堅苦しい出だしだったが、先生はそれに応答しなかった。ロールプレイが始まっているにも関わらず、まわりのひとたちが各々話に盛り上がって騒いでいるからだ。この感覚は何度も知っている。誰も真面目に物事を進めようとしている私に注目しないのだ。とにかく、静かにさせなくては先にいかないので、"Excuse me, sir!"と何度か繰り返した。一度は音量が落ちたが、静かにはならなかった。とても頭に来た私は、誰かが大声で笑った瞬間に怒鳴り散らした。一人一人のところへ行って、暴言を吐いた。小突いたりもした。支離滅裂だったが、私の言い分は正しい筈だった。そのときそこにいた人たちの中に、わたしの嫌いな人がいた。彼こそが先刻大声で笑った人物だとわかると、わたしは徹底的に非難した。彼も逆上して、自分の正当性を主張した。しかしまずいことが起こっていた。わたしが小突いた人たちの中に、何故か隣の研究室の若い教授がいて、彼が倒れていた。どうやら体調不良が続いていたらしく、私が頭を刺激したせいで、もう二度と目を醒まさないかも知れないんだぞ、と言われた。わたしはわたしが正しかった筈なのにどうしてこうなったのか分からずに呆然とした。皆の突き刺さるような視線がわたしに集中した。
今朝はやく起きてしまったせいか、日中はずっと睡魔と戦っていた。天候と抗ヒスタミン剤のせいであろう。今日は午後から暴風雨だ。研究室に帰ってくるとすぐに仮眠を始めた。誰かがカップ麺を買いに来た(研究室の人間のためにカップ麺が買い置きされた棚が近くにある)ときに「誰コイツ」という声がした。きっと髪を切り過ぎたせいで認識できなかったのであろうが、「誰コイツ」という音に悪意を感じ取ってしまったせいで、あまり気持ちの良くない夢をみたのだろう。途中、外国人留学生が悪びれることもなく寝ている私の頭のすぐ上にある電子レンジを使っていた。今や日本人にも多いだろうその図々しさに、アメリカでの生活も少し思い出された。今夜はもう長い仮眠をとったので、自然言語処理の課題をはじめる。